税に関するトピックス

土地の贈与契約書に印紙は必要?

贈与する土地の評価額を記載して贈与契約書を作成するようなとき、贈与契約書に印紙の貼付が必要でしょうか?

正解はYesです。不動産をその同一性を保持させつつ他人に移転させることを内容とするものは、対価を受けているか否かにかかわらず、第一号の一文書(不動産の譲渡に関する契約書)に該当し、印紙税の課税文書となります。

ただし、贈与契約は「無償契約」であるため、契約書内に土地の評価額が記載されていたとしても、その評価額は不動産の譲渡対価ではないので、記載金額には該当しません。

したがって、「契約金額の記載のないもの」に該当し、200円の印紙を貼付することとなります。

QRコードによる国税の納付

コンビニエンスストアで国税を納付するためには、事前に税務署から交付等されたバーコード付の納付書でなければ利用できませんでしたが、平成31年(2019年)1月4日以降は、自宅等で納付に必要な情報をQRコード(PDFファイル)として作成・出力することにより利用可能となりました。なお、納付できる金額は従来のコンビニ納付同様30万円以下となります。

QRコードを利用したコンビニ納付の方法は以下のとおりです。

1.次のいずれかの方法によって作成したQRコードをコンビニ店舗へ持参します。なお、QRコードをスマートフォン等に保存して利用することも可能です。

(1) 確定申告書等作成コーナーからの作成
確定申告書等作成コーナーで、所得税、消費税等の申告書を作成する際に、QRコードの作成を選択することで、申告書に併せてQRコードを印字した書面が作成されます。

(2) 国税庁ホームページからの作成
国税庁ホームページのコンビニ納付用QRコード作成専用画面で、納付に必要な情報を入力することで、QRコードを印字した書面が作成されます。

2.コンビニ店舗のキオスク端末(「Loppi」や「Famiポート」)に「QRコード」を読み取らせるとバーコード(納付書)が出力されます。

3.出力したバーコード(納付書)によりレジで現金を支払います。

ただし、どこのコンビニエンスストアでも利用できるわけではありませんので注意が必要です。平成31年(2019年)1月4日の時点で利用可能なコンビニエンスストアは以下のとおりです。
・ローソン、ナチュラルローソン、ミニストップで、いずれも「Loppi」端末を設置している店舗
・ファミリーマートで「Famiポート」端末を設置している店舗

なお、国税庁のサイトでも詳しい情報が出ていますのでご参照ください。

http://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/conveni_qr_nofu/oshirase.htm


消費税率10%への引き上げに備えて

リーマン・ショック級の出来事が起こらない限り、令和元年10月に消費税率が10%へ引き上げられるとともに、酒類・外食を除く飲食料品を対象に消費税の軽減税率制度が導入されます。
そこで今回は、①変更となる請求書や帳簿の保存要件への対応、②複数税率対応レジ等への国の支援策について紹介させていただこうと思います。

【区分記載請求書等保存方式と適格請求書等保存方式の導入】
 消費税の仕入税額控除の適用を受けるためには、課税仕入れ等の事実を記載した帳簿及び請求書等を保存する必要があります(請求書等保存方式)。
 この請求書等保存方式に、令和元年10月1日から令和5年9月30日までの4年間、現行方式を維持しつつ区分経理に対応するための措置として「区分記載請求書等保存方式」が導入され、令和5年10月1日からは売手が買手に対して正確な適用税率や消費税額を伝える「適格請求書等保存方式」(いわゆるインボイス制度)が導入されます。

 (1) 区分記載請求書等保存方式
 現行の請求書等保存方式における記載事項は、発行者の氏名(名称)、取引年月日、取引内容、(税込)対価の額、受領者の氏名(名称)ですが、これに①軽減税率の対象品目である旨、②税率ごとに区分して合計した(税込)対価の額の2項目の記載が必要となります。
 しかし、請求書等を発行する事業者がこれらの記載事項に対応できないことも考えられるので、受領者が取引の事実に基づき、軽減税率適用の品目に「※」印を付したり、適用税率ごとに請求書を分けて税率を自ら追記することで仕入税額控除が認められます。
 また、この方式では免税事業者からの仕入についても、記載要件を満たし、区分記載請求書等を保存していれば仕入税額控除を行うことができます。

 https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/keigen_zeiritsu/jigyosya/kubunkisai.html

(2) 適格請求書等保存方式
区分記載請求書等保存方式における記載事項に加えて、①登録番号、②税率ごとの消費税額及び適用税率の2項目の記載が必要となります。なお、税率ごとに区分して合計した対価の額については、税抜または税込のどちらかの記載となります。
また、区分記載請求書と違い、記載事項に漏れがあった場合、受領者は追記することができず、正しい請求書の再交付を求めることになります。
この適格請求書は、適格請求書発行事業者の登録を受けた課税事業者のみ発行することができます。
 https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/keigen_zeiritsu/jigyosya/tekikaku.html

【軽減税率対策補助金】
軽減税率制度の導入に伴い、小売店等では、取引先が消費税の仕入税額控除をするため、当制度に対応した領収書や請求書の発行が必要です。
食料品など軽減税率の対象となる商品のみを扱っている小売店等では、税率が8%のままなので対応は必要ないと思いがちですが、「全商品が軽減税率対象」であると領収書や請求書に明示しなくてはならなくなるので、レジの設定や買換えが必要となります。
これに対しては、中小企業・小規模事業者等消費税軽減税率対策補助金により、複数税率に対応するレジの導入や受発注・請求書管理システムの改修等に係る費用の補助を、独立行政法人中小企業基盤整備機構を通じて行っています。
ここで注意していただきたいのが、この補助金の期限が、令和元年9月30日までにレジの導入等を行うとともに、支払が完了していなければなりません。つまり、軽減税率制度が実施される10月以降にレジの導入・改修を行っても、支援対象期間は終了しているので補助金は受けられません。
 https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2019/190325keigen1.pdf
 http://www.smrj.go.jp/news/2017/frr94k00000073ec.html 

死亡した被相続人の医療費を相続人が支払ったとき

その年の医療費控除の対象となる医療費の金額は、その年中に実際に支払われた金額に限られ、未払の医療費は現実に支払われるまで医療費控除の対象とはなりません。

このため、被相続人の死亡後に支払われた医療費は、たとえ相続財産で支払ったとしても、被相続人が支払ったことにはならず、被相続人の準確定申告で医療費控除の対象とすることはできません。つまり、被相続人が存命中に支払った医療費のみが医療費控除の対象となります。

一方、「自己と生計を一にする親族に係る医療費」とは、「医療費を支出すべき事由が生じたとき、または現実に医療費を支払ったときの現況において、自己と生計を一にする親族に係る医療費」をいいます。

したがって、その医療費の請求の基となった治療等を被相続人が受けた時に、相続人と被相続人が生計を一にしていたのであれば、その医療費は、相続人の医療費控除の対象となります。

役員や使用人に食事を支給したとき

役員や使用人に支給する食事は、以下の2つの要件をどちらも満たしていれば、給与として課税されませんが、もし満たしていないときは、「食事の額」から「役員や使用人が負担した額」を差し引いた金額が給与として課税されます。

(1) 役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること

(2) 食事の額から役員や使用人が負担した額を差し引いた金額が、1ヶ月あたり3,500円(税抜)以下であること

 また、現金で食事代の補助をする場合には、深夜勤務者に夜食の支給ができないために1食あたり300円(税抜)以下の金額を支給する場合を除き、補助する全額が給与として課税されます。

 なお、残業または宿日直を行うときに支給する食事については、無料で支給しても給与として課税しなくてもよいこととされています。

扶養親族の所属の変更

夫婦共働きの家庭を例に取り上げます。夫が長男を扶養親族とする「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出して年末調整を行い、妻が扶養親族の記載をせずに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出して年末調整を行った場合でも、その後、夫の扶養親族を妻の扶養親族に変更する方法があります。

扶養親族を増加させようとする者(この場合は妻)、及び減少させようとする者(この場合は夫)の全員が、その所属の変更を記載した「確定申告書」を提出すれば、扶養親族の所属の変更は認められます。

なお、この場合の申告書には「修正申告書」、及び「更正の請求書」は含まれないので、いずれかの居住者がいったん確定申告書を提出している場合には、扶養親族の所属の変更はできません。

相続税の二割加算とは???

相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった孫などの直系卑属を含む)、及び配偶者以外の人である場合には、その財産を取得した人の相続税額はその相続税額の二割に相当する金額を加算した金額となります。

例えば、(配偶者や子供、親などが生存している場合の)被相続人の兄弟姉妹、甥や姪が相続人となった場合や、被相続人の養子として相続人になった孫などが二割加算の対象となります。

なお、孫を養子としている場合には相続税額の二割加算の対象となりますが、既に実子が死亡して、孫養子が代襲相続人となっている場合には、二割加算しません。

事業に係る損害保険契約の満期返戻金を受け取ったとき

個人が損害保険契約に基づいて満期返戻金等を受け取ったときは、たとえ、それが事業に係るものであったとしても「事業所得」としてでなく、「一時所得」に該当するものとして取り扱います。

なお、長期損害保険契約に係る支払保険料は、事業所得の計算上、保険積立金等として資産に計上する部分とその年分の必要経費に算入する部分とに区分されますが、一時所得の計算にあたっては、既に事業所得の計算上必要経費として算入された部分の金額については、再度必要経費として控除することはできません。

そのため、一時所得の金額は(当該返戻金以外の一時所得となるべきものがない場合)、『収入金額-資産計上した保険積立金等の金額-50万円』となります。

国税のクレジットカード納付

平成29年1月4日から、インターネットを利用して、クレジットカードで国税を納付することができるようになりました。対象となる税目は、申告所得税及び復興特別所得税、法人税、消費税及び地方消費税、贈与税、酒税など、ほぼ全ての税目です。

クレジットカード納付をする場合には、納付する税目や金額のわかるもの(確定申告書等)と、利用するクレジットカードを準備して、「国税クレジットカードお支払いサイト」より納付手続きを行います。金融機関やコンビニエンスストア、税務署の窓口でのクレジットカードによる納付はできません。

平成29年6月12日より、e-Tax(国税電子申告・納税システム)から「国税クレジットカードお支払いサイト」へのアクセスが可能となっております。これにより、当サイトでの住所・氏名・税目などの入力が不要となりました。

なお、ご利用にあたっての注意事項としては、
①税金とは別に、納付税額に応じた決済手数料が必要となります。
②領収書等は発行されないため、領収書が必要な方は、最寄りの金融機関か所轄の税務署の窓口で納付する必要があります。
③当サイトで納付手続が完了すると、その納付手続の取消しはできません。
④納付手続の完了後、その納付手続により納付済となった国税については、納税の猶予等を受けることができません。
⑤クレジット納付をした場合、納付済の納税証明書の発行が可能となるまで3週間程度要する場合があります。
⑥クレジット決済がなされるまでの期間は、利用額が少なくなります。

国税庁のサイトでもQ&A等の詳しい情報が出ていますのでご参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/nofu-shomei/nofu/credit_nofu/credit_qa.htm

 パートの収入と税金・社会保険関係について

平成29年度税制改正では就労調整対策という観点から、配偶者控除・配偶者特別控除が見直されています。今回はパート収入と所得税及び社会保険について整理してみたいと思います。